さて、今回は少し趣向を変えて「哭牙 KOKUGA」のスタッフとお話しながら開発の雰囲気をお伝えしようかと思います。
もちろん機密的なお話には踏み込めませんが、定期的にプログラマーさんやデザイナーさん達と、色々なお話をお伝えできればと思っています。
第一回は、メインプログラマーであり、Co-Directorもやってもらっている藤田勝幸さんに来てもらいました。
井内:「ども~」
藤田:「どもです。というか、いつの間にそんな肩書き(Co-Director)が増えたんですか?」
井内:「あ、私は基本的にプログラムが専門ではないので、プログラマーを仕切ってもらっている人には、もれなくCo-Directorの肩書きが付いてきます」
藤田:「そうなんですか。知らなかった・・・(笑)」
●藤田さんについて
井内:「藤田さんは、プログラマーとして何年目ぐらいです?」
藤田:「えぇ~っと・・・俺、タイトー入ったの何年だっけ?・・・うん?・・・あれ?あまり気にしたこと無い・・・(笑)ちょっと聞いてきます・・・(笑)」
※藤田さんは社長に訊きに行ってしまいました・・・
藤田:「93年からなので19年目らしいです」
井内:「気にしないんですねぇ(笑)」
藤田:「過去はすべて忘れていくほうなので」
井内:「あぁ、それはいいねぇ」
藤田:「悔いの残った仕事は記憶に残っているのですが・・・」
井内:「あ、やっぱりそれは残るんだ(笑)」
藤田:「新人の頃、とても世の中に出してはイケナイモノを出してしまった(笑)」
井内:「あぁ~出しちゃいましたか・・・イケナイモノ(笑)。じゃあ、それは闇の中に置いておくとして、代表作となると何です?」
藤田:「ん~、Gダライアスになるんでしょうか」
井内:「お~、Gダラですか。グレフに入ってからは?」
藤田:「グレフは初期から、スターシーカー、ボーダーダウン、旋光の輪舞、あたりを・・・」
井内:「なるほど、その途中に斑鳩のお手伝いをやってもらったりしたんですよね」
藤田:「ほんの少しですけどね」
井内:「でも考えてみると、その頃からのお付き合いではあるんですねぇ」
藤田:「そうですね」
●「哭牙 KOKUGA」について
井内:「私の方は、フリーランスの時期にストラニアのグラフィックを少し手伝った後、2011年からグレフにお世話になってますが、何本か出した企画の中から作ることになったのが、哭牙となるわけです」
藤田:「ですね」
井内:「企画草案レベルで動き始めてしまったので、とにかくプロトタイプを作り始めたわけですが・・・」
藤田:「とにかく短期で作れって命令でしたからね~」
井内:「ん~。作っていく過程で、とても短期では無理と分かってましたけど・・・ね?」
藤田:「できる!と言い聞かせてました」
井内:「おぉう(笑)だけど、プロトタイプとはいえ、よくあの短期間で出来たよね?何だか完成と同時に一度死んだ気がしましたが・・・」
藤田:「そこで、燃え尽きてましたよね」
井内:「もうね、真っ白に・・・」
藤田:「開発機材もまだ無かったですからね。ただ、その段階でこれはニンテンドーDSのパワーではキツそうだなという感じで・・・」
井内:「はい、ニンテンドーDSを仮定して・・・と言いながらも、色々なもの足していきましたから」
藤田:「PCで制限無しで作っていたから、破片のパーティクルなんかを派手に出したあたりで、もうDSでは無理そうでしたもんね」
井内:「うん、でも一度あれを見てしまうとね・・・あれは削りたくない。だからコロっとニンテンドー3DSに変えちゃいました」
藤田:「マルチプレイにしても、とにかくマシンパワーが必要でしたからね」
井内:「でも、今からすると、その後ニンテンドー3DSの価格が15,000円になったというのがあったから、良かったのかな」
藤田:「あぁ、15,000円になったのは大きいですよね」
●開発について
井内:「・・・で、その後、開発機材も来て、さわってみたわけですが」
藤田:「まぁ、とにかく初めてのハードでしたから、どこから見ていったらいいかという感じだったのと・・・今まで開発してきたゲーム機とは少し勝手が違うんですよ。だからNintendoWareの作法みたいな部分での把握に苦労はありましたかね~」
井内:「あぁ、確かに。マニュアルやライブラリ更新された部分の確認が多かったですし、ハードやライブラリとしても少し特殊な仕様かもしれない」
藤田:「だから、哭牙の仕様に関係ない部分(すれ違い通信、カメラ、ジャイロなど)はスルーして、とにかく早く動かそうという感じでした。でも、立体視には結構感動しました」
井内:「確かに。何と言うか、水槽の中をのぞいているような感覚はありました。でも俺、3D酔い(?)するんで、後から気持ち悪くなってましたけど(笑)」
藤田:「あぁ(笑)目には来るものがありますね」
井内:「とりあえず、今の段階では幾つかのステージとマルチプレイができる段階まで来ましたが、どうです?」
藤田:「う~ん。まだ、動きを突っ込んだだけとも言えますからねぇ。まだこれからでしょうか」
井内:「えぇ、調整は、まだ先ですね。でも、マルチプレイは初めて動いた時点で、思っていたよりもゲームになっていて意外でした」
藤田:「ですね。マルチプレイはワイワイやる上で楽しいですからね。敵も物量ですが、こちらも多人数で押せるというか」
井内:「まだ、調整前なので、多人数でやると殺戮部隊になってますが・・・」
藤田:「通った後には草も残らない」
井内:「さすがに今のは、簡単すぎるので調整しますけど」
藤田:「でも、多人数の時は、あれぐらいお気楽でもいいかもしれませんね」
井内:「上手い下手は関係なく、2人でも3、4人でもシューティングゲームに「参加」して遊んでいるような気軽さはあるように思えます」
藤田:「それこそ多人数プレイならではでしょうね」
井内:「ダウンロードプレイについては、結構実装するのが難しかったんですか?」
藤田:「元々ニンテンドー3DSの機能としてダウンロード機能はありますから、データを送ってしまえさえすればいいので、実装自体は難しくないです。ただ、容量が多いとダウンロードの時間はどんどん増えますので・・・如何にしてロード時間を短くするか。つまりグラフィックやサウンド関係の容量を小さくしていただくということになります。もちろん圧縮して転送することも前提です」
井内:「えぇ。その辺は少ないポリゴン数、少ないテクスチャーで・・・アレコレやっている最中(笑)」
藤田:「後は、プレイヤー間の動作や、敵や弾などの動作情報に関して同期にラグを感じさせないように・・・と言っても実際にはあるのですが、その辺りに注力しました」
井内:「複数人数の場合、ゲーム機の間同士で同期させるには、まだ結構大変なわけですね?」
藤田:「複数のゲーム機で4人同時プレイするだけでも結構大変です。だから同期を取るために、動作している物体が瞬間的にワープしてしまっているように見えてしまうこともあるかもしれません」
井内:「う~ん、確かにシューティングゲームそれ自体のプログラムは単純ですが、ワークの多さと処理の問題は大変。色々細かく処理を稼ぐ策を講じないとならないわけですよね」
藤田:「ですね。4人のマルチプレイで、60フレームをキープできるかどうか・・・立体視も入れて60フレーム動作が目標!」
井内:「それができればいいですね。特に今回は、4人がバラバラに動ける上にフィールドを後戻りできるという仕様をサラッと出してしまった。それが、後に処理的な部分で大変な事になると気が付いて・・・あぁ、やっちまった感が・・・」
藤田:「でも、仕様で対処を入れてもらいました」
井内:「何とかね~、処理軽減策を考えて・・・」
藤田:「えぇ、何とかなりましたよ」
井内:「まぁ、ゲームが破綻しなくて良かったです」
藤田:「やっぱり60フレームのままいきたいですからね。今の所の大目標です。もうCPU側に余裕ないですから」
井内:「う~ん、悩み所だよねぇ。まぁ、まだ何とかなりますよね?・・・・・ね?」
藤田:「ハハハハハハハハハハ・・・・・」
とてもお茶目な藤田さんでした。
もっと専門的なお話に踏み込んでもいいのかな?とも思ったのですが、それをやると一言一言に注釈入れる感じになってしまうので大変。あっという間に長文にもなってしまうので、少しずつお話できればと思っていると同時に、多少でも楽しんでいただければ幸いです。